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神様の自伝。 [本]

エリッククラプトンの自伝が発売されました。
クラプトンは、長年聴き続けたフェイバリットミュージシャンの
一人。「ギターの神様」としての音楽人生を知りたい
というのもあったんですが、もっと興味があったのは
プライベートな事。子供をなくした父親としての
先輩にあたるので、彼がどのようにして立ち直って
いったのかを知りたいと思い、読んでみました。
内容としては、ギタリストとしてのクラプトンよりも、
人間・クラプトンの生き様を赤裸々に綴った自叙伝という印象です。
音楽に関しても様々な事が書かれているのですが、
その人生があまりにも過酷なので、どうしても
そちらの方が印象が強い。
ドラッグと女に溺れる日々。ドラッグをやめたとたん
今度はアルコール漬けになる。友人の妻に恋をし、
何度も何度もアプローチを続ける。やっと奪ったと思ったら、
浮気を繰り返し、逃げられる。そして
新たな恋人との間に生まれた子供を事故でなくしてしまう。
まさに波瀾万丈の人生なわけですが、その後
クラプトンは見事に立ち直ります。

音楽の話で興味深かったのは、
ビートルズの再結成が実現しそうになったという話。
そして、もうひとつが、ボブディラン「欲望」レコーディングの話。
このブログで、ディランはクラプトンが参加したテイクを没に
したらしい、と書きましたが、やはり事実だったようです。

ベストを尽くして演奏したが、彼は曲を次から次へとめまぐるしく 変えていくので、ついていくのが大変だった。そして突然セッションは 終わって、ディランは出ていった。後になって、彼はすべての曲を ドラマーとベーシストだけの演奏で録音し直したと伝えてきた。 彼が使うのは再録したほうのトラックだということだった。

「エリッククラプトン自伝」より

非常にハードな内容の自叙伝ですが、一人の男が
ドラッグ、アルコール依存から抜け出し、人として
成熟を遂げていく様は、クラプトンファンじゃなくても
心打たれるかもしれません。


エリック・クラプトン自伝

エリック・クラプトン自伝

  • 作者: エリック・クラプトン
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本



もうひとりの神、「ファオークの神様」ボブディラン。
こちらの自伝はずいぶん前に発売されたもの。
ポールマッカートニーをはじめ、様々なミュージシャンが
読んだと伝えられています。
ディランが自伝を書いたと聞いたとき、すごく
不思議な感じがしました。でも、ディランの事だから、
なんかやるんじゃないか、普通の自伝は書かないだろうと
思ってやんですが、やはり、やってくれました。
普通の自伝は、子供の頃から順番に進んでいくのですが、
この自伝は、時系列がない。時代が前へいったり後ろに
いったりします。しかも、これは自伝の第一弾。続きがあるのです。
この自伝を読んで感じたのは、「おいおい、いいかげんに
してくれよ、オレは神でもなんでもなく、人間なんだよ」という
ディランのメッセージ。人と同じように努力し、同じように
曲作りに悩み、一人の父親として子供を育てている姿。
ボブディラン、人間宣言のような自伝だな、と感じました。
とてもおもしろい本で、自伝としては一番のおすすめです。


ボブ・ディラン自伝

ボブ・ディラン自伝

  • 作者: ボブ・ディラン
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2005/07/16
  • メディア: 単行本



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