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バンドという名のバンド。 [音楽(ザ・バンド)]

THE BAND、とても大胆なバンド名ですね。しかし、彼らの音楽は、
その名に恥じないものでした。数多くのミュージシャンに影響を与え、
そして敬愛され続けたバンドの中のバンド、アメリカのロック史に名を残す、
まさにスーパーバンドといえるでしょう。
リチャード・マニュエル、そしてリック・ダンコを失い、もうその
パフォーマンスをライブで体験することはできませんが、彼らの残した
アルバムは、今後もずっと聴き継がれていくのではないかと思います。


1.ザ・バンドが生まれるまで
1957年、ロックという音楽ジャンルが、まだまだ市民権を得てなかった頃、
ロニーホーキンスというシンガーがアメリカで地道な活動を続けていた。
そのバックバンドのドラマーとして参加していたのが、若干17歳の
リヴォン・ヘルムだ。やがて、ロニーは、よりよいギャラとオーディエンスを
求めて、カナダのトロントへと活動拠点を移す。そこに集まってきたのが、
ロビー・ロバートソン(ギター)、リック・ダンコ(ベース)、
リチャード・マニュエル(ピアノ)、ガース・ハドソン(ピアノ・オルガン・
サックス)だ。アメリカからきたリヴォンと、カナダ人4人で編成
されたバンド「ザ・ホークス」は1963年まで、ロニー・ホーキンスの
バックバンドとして活動。その後2年間は、リヴォン&ザ・ホークスとして
単独のステージもこなしている。
そして1965年、ひとつの出来事が、彼らの運命を大きく変えることとなる。
それは、ボブ・ディランとの出会いだ。1965年から66年にかけて、
ボブ・ディランはエレクトリックツアーを行っているが、そのバックを
努めたのが、ホークスの5人。このツアーは、フォークの神様と呼ばれた
ボブ・ディランが、エレキギターを持ち、ファンから大ブーイングを受けた
伝説のライブ。各地で賛否両論を巻き起こしたのだが、そのことが話題となって、
バックバンドである彼らも注目を浴びたのだった。
翌年、ボブ・ディランはバイク事故を起こし、表舞台から姿を消すこととなる。
そしてホークスのメンバーを誘い、ウッドストックに住み、
日々、セッションを繰り広げる。このときの音源は、1975年に
「ベースメントテープ」というタイトルでリリースされている。


2.ザ・バンド誕生。
1968年、ホークスのメンバーは、ザ・バンドと名前を変え、
「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリース。
その見事なまでに完成された音楽は、エリック・クラプトンをはじめ
多くのミュージシャンに衝撃を与えることとなる。

クラプトンは、自伝でこのアルバムとの出会いを次のように書いている。
「その素晴らしさに私はその場に立ちすくんでしまった。カントリー、
ブルース、ジャス、ロックの影響を取り混ぜた素晴らしい曲を書き、
演奏しているバンドがここにいた。彼らを自分たちと比べるのは
無意味で馬鹿げたことだったが、血眼になって基準になるものを探して
いた時に、目の前にそれがあったのだ」
「エリック・クラプトン自伝」中江昌彦訳より転載)

レコードデビューを飾り、すっかり波に乗ったザ・バンドは、その後、
コンスタントにツアーとアルバム制作を続ける。しかし、最高傑作とも呼ばれる
「南十字星」発表後、バンドメンバ内に不穏な空気が漂いはじめる。


3.ザ・バンド解散へ。
元々ザ・バンドの主導権はリヴォンが握っていたようだが、
曲作りの中心がロビーだったこともあり、後期には、ロビーへと
移っていったと思われる。それもあってリヴォンとロビーの関係はかなり
ぎくしゃくしていたようだが、1976年、その関係は修復不可能となる。
その年の夏、ロビーに子供が生まれる。そしてリチャード・マニュエルが
事故に遭いツアーがキャンセルになった。それをきっかけにロビーは、
各地を飛び回るツアー生活に終始を打ちたいと考えはじめたのだ。
メンバーと話し合ったところ、リヴォンは俺はミュージシャンだ、
このままツアーを続けたいと猛反発した。しかし、ロビーはもうすでに
解散を決めていた。旧友たちを集めて素晴らしいコンサートを開催しようと
メンバーに提案した。それが「ラストワルツ」だった。


続きのページへ。





ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク

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  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2008/12/10
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Northern Lights Southern Cross (Remaster) (紙ジャケ)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/04/21
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