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ツイッターがマスメディアを超えた日。 [思ったこと]

ツイッターは、ほんとうにベンリだと思った、
今のような非常時には、特に。
情報を拡散することによって、
助けられたり、助けたり。
まさに命綱となった人たちもいるようだ。

本来の使い方、役割はそうじゃないんだろうけど、
今、ツイッターは情報インフラにもなっている。
そして、そこにアクセスしている人たちの間では、
注目度は、新聞やテレビより高いかもしれない。
それは、情報が早いから?
もちろんそれもあるだろうけど、
それだけではない。
マスメディアが報道しない、報道できない
情報が次から次へと流されるからだ。
規制されない環境のもと、
なんの圧力も受けない人たちが
情報を流す。もちろん、
その中にはデマもある。情報源がわからないもの、
あやしいものもある。
取捨選択が非常に重要になるが、知りたかった事を
知る近道にもなる。

私も今、ひとりの国民として、子を持つ親として
ツイッターを情報源にしているところがある。
それは、原発関連の情報が気になるからだ。
原発の現状は?今後の見通しは?
その答えは、マスメディアが伝えてくれるが、
その報道と同じ時刻に、原子力調査機関の
記者会見がユーストリームで生中継され、
それとは異なる答えがかえってくるときもある。

テレビや新聞の報道には規制があり、圧力もかかる。
伝えられていることは、すべてが真実とは限らない。
いわゆるタブーが存在する。
それは、多くの人が知っていたことだと思う。
今は亡きロックシンガーは、今から40年ぐらい前に
「本当のことなんか言えない。言えば殺される」
歌い、世の中を、マスコミを、批判した。
それ以降も、ずっとずっと新聞やテレビが
大きな顔をしてこられたのは、
ほかに情報を伝えるメディアがなかったからだろう。

インターネットが情報インフラとして定着して、
ある種のタブーが、いともカンタンに破られるようになった。
不正が暴かれ、ウソが許されなくなってきた。
しかし、新聞やテレビは、そんな時代に
まったく対応できていないと思う。もちろんそれは
広告を収入源としているという構造上の問題が
あるからなのだろうけど。

乙武洋匡さんが、ツイッターでこんな言葉をつぶやいていた。

 テレビ局や新聞社にとって、情報とは利益を生み出すための
 “商品”なのかもしれない。そう考えると、そこに十分な公平性や
 透明性を求めることは難しいのかな。いま、自分の身を守る
 ために最も必要なものは、情報。だから、僕はテレビや新聞からの
 情報を判断材料にすることは、しばらく控えようと思う。
            (3月16日/ツイッターより引用)

マスメディアは、スピードではツイッターにかなわない。
勝負できるのは、情報の質。それは内容の濃さや切り口の
多さだけではないと思う。ウソのない真実を伝えること。
信頼を回復してこそ、テレビや新聞の明日が
あるのではないだろうか。

そして、広告業界も、それは同じだと思う。
メッセージにうそがあってはいけない。
そのことをクライアントにきちんと伝えるべきだと思う。

かなり昔になるが、某広告代理店にいたクリエイターの
こんな話を聞いたことがある。
ご本人から直接聞いたわけではないし、誰から聞いたのかも
忘れてしまったので、噂レベルの話になってしまうのだが、
あまりにも強烈だったし、
その方をリスペクトしているので、断片的に覚えているのだ。

それは、某電力会社の広告プレゼンでの出来事。
お題は原子力発電の安全性の訴求だった。
そのクリエイターが率いる制作チームは、
「電力会社の社員が冷却水の中で泳いでる」、
というCMを提案。
「これつくったら、みんな安全やと、信じまっせ!」と
言い放ったそうだ。
もちろんクライアントは激怒。
その会社は即、出入り禁止になったそうだ。

その当時もそう思った。そのプレゼンは全然間違ってない。

「間違ってることなんか言えない。言えば叩かれる」。
今はもう、そんな時代なんだと思う。

新聞もテレビも、そして広告業界も、
すべてを見直す時期にきているのかもしれない。
それに携わる広告クリエイターも
覚悟が必要なのだと思う。


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