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父が残してくれた本を読みながら。 [家族・夫婦・子どものこと]

眼鏡を買って以来、読書熱が再燃。
夜、子どもを寝かしつけ、
新聞を読んだ後、本を読むのが習慣になりました。
震災でしばらく読書どころではなかったけど、
再開しました。最近、読んでいるのは、主に
父が生前、読んでいた本です。

実家には、父が読んでいた本がたくさん残っていました。
ほとんどが時代小説と聞いていたし、
母も興味がない、と言うので処分することにしました。
そのままブックオフに、とも考えたんですが、
父がどんな内容の本を読んでいたのか興味があったし、
何冊かは読んで見ようかと思いました。

読む本と読まない本を仕分けするために、ブックカバーを
はずしていくと、聞いていた通り、ほとんどが時代小説。
年配の男性は、このジャンルが好きだと聞きますが、
ほんとうなんですね。それと同時に推理小説、
警察・刑事小説、法廷ものの小説もたくさんでてきました。
それはちょっと意外でした。

最初に読んだのが、太田蘭三さんの「顔のない刑事」。
山岳を舞台にした警察小説。
警察手帳を返上し、顔のない刑事として
捜査を開始しする香月刑事を主人公とした物語。
平成22年9月5日四版発行となっていたので、
父が倒れる少し前に買った本。おそらく最後に
読んだ小説なのではないかと思います。

そして次に読んだのが、小杉健治さんの
法廷ミステリー「絆」。夫殺しの起訴事実を認めた被告と
無罪を主張する弁護士との間で繰り広げられる物語。
映画も本も、法廷ものは大好きなんで、
それもあるのかもしれないけど、
すごくおもしろい小説でした。あっと驚く結末です。
ちなみに、この本、
第44回推理作家協会賞受賞作だそうです。

こうやって、父が残していった本を読みながら、
ふといろんなことを考えます。
どんな顔して読んでたんだろう。
どんな感想を持ったんだろう。
父が、どんな本、どんな作家が好きなのか
まったく知らなかった。考えもしなかった。
で、こういうのも供養に
なってるのかな、なんて。

父は放射線が専門ではありませんでしたが、医者でした。
もし、今、生きていたら、原発の放射能汚染について、
いろんなアドバイスをしてくれただろうと思います。
そして、それを伝えることもできたんですけど。

そういえば、父はチェルノブイリ原発の事故の時、
ちょうど海外出張中で、汚染区域に
かなり近い地域にいて、被爆したと本人も言っていました。
帰国後、スーツケースやなんやらを
母が必死で拭いていたのを思い出します。
しかし、父は生涯、ガンとは無縁でした。





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