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奥田英朗「家日和」。 [本]

作家さんって、広告畑出身の人が多いな、
と書いた時(過去記事)、マイミクさんに、この人もそうですよ、
と教えられました。奥田英朗さん、元プランナー、コピーライターだそうです。

「家日和」。なかなかいいタイトルですよね。
家族小説、というよりは、夫婦をテーマにした小説と
いった方が近いかもしれません。
結婚後何年か経って、生活がマンネリになってきた頃、
夫婦間におこる、ちょっとした変化や出来事を描いた短編小説。
すべて「家」が舞台になっています。
登場人物は、ネットオークションにはまる妻、
失業して主夫となる営業マン、勘をたよりに次々と
職を変える夫などなど。まさに、現代の夫婦。
独身よりも、既婚者の方が楽しめる小説かもしれません。

・サニーデイ ・ここが青山 ・家においでよ
・グレープフルーツ・モンスター ・夫とカーテン
・妻と玄米御飯、という6つのストーリー。
個人的には、「家においでよ」が好きです。
これは、理由もなく別居する夫婦の物語。
妻が出ていき、束縛から解放された夫が
オーディオセットやテレビなど、自分の欲しかったものを
どんどん購入して、家を自分の城に変えていくというストーリー。
結婚すると男は、自由な時間も自分の空間も
なくなってしまうわけで、この小説のような願望、
みんな持ってるんじゃないでしょうか。

とてもおもしろい短編小説集です。





家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: 文庫







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