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伝説のシンガー、上田正樹。 [音楽(上田正樹)]

数年前から、旧友有山じゅんじさんとの活動を
復活された上田正樹さん。バラードを歌わせたら絶品なんて
声もありますが、この人の真骨頂はグルーヴ。
バンドをバックにソウルフルな曲を歌っている時だと思います。
確かに、バラードもめちゃくちゃうまい。
でも、ドッグ・オブ・ザ・ベイを歌える人はいても、
I Can't Turn You Looseをここまで歌いこなせる
日本人シンガーは他にはいないのではないでしょうか。

昨年、久しぶりに上田さんのアルバムを買い、
そしてライブを見に行きました。
なにより驚いたのは、その歌のうまさ。
上田さんは、関西の音楽史に名を残す伝説のシンガーでも
あるわけですが、その伝説の歌声よりも、
今の方が圧倒的にうまいと感じたのです。
そしてバンドを率いてのライブは、ファンキーでパワフル。
パワーという面でもあの頃と変わらぬものがありました。
上田さんのことで残念に思うのは、ファン層が
すっかり変わってしまったのではないかと思われる事。
ソウルフルな曲、上田さんがよく口にする「踊れる曲」に対しての
お客さんのレスポンスが良くない。
ディナーショー中心に活動されていた時期があったせいか、
スローなバラードを聴きにきているお客さんが多いのではないかと感じました。
個人的な好みもあるのですが、キー坊はやっぱり「踊れる曲」。
だから、昔のファンにももう一度聴いてほしい。
今でもキー坊のあのパワー、あのシャウトは健在、
歌はあの頃よりもうまくなっています。


今さらですが、昨年11月のライブレポです。

上田正樹コンサート07「キー坊、久しぶり」
2007/11/20大阪厚生年金芸術ホール

定刻を少しまわった頃、
バンドを引き連れて上田正樹、登場。

1曲目は…
「ホンキートンクウーマン」
     ストーンズの名曲、耳慣れたドラムのリズムが心地よい。
続いて
「ヘルプ」
     ストーンズの後はビートルズ。スローテンポで、石田長生さんの
     バージョンに近い。一番は英語で、二番は日本語。
     「心が弱くなった時は、夢の続きを聞かせて〜」という
     フレーズが泣かせます。
「大阪へ出てきてから」
     懐かしの曲を、今のキ−坊が歌います。
「悲しい色やね」
「悲しい日々」
     金森さんの名曲。この曲は歌詞がとてもいい。
     
      ここで、バンドのメンバーが引っ込みます。
     
     そして、「尊敬する大阪が生んだ重要文化財です」という紹介で、
     有山じゅんじさん登場。いきなりピースサイン。有山さん、
     かなり酔ってるようでした(たぶん)。

「あこがれの北新地」
     サウスのライブででおなじみの、
     「有山、もういっちょういこか、祝儀で〜」が飛び出しました。
「梅田からナンバまで」
     ボーカルは有山さん。このふたりだけのステージは
     独特のものがあります。


     再度、バンドメンバー登場。
     そして、きょうはもうひとり
     「大好きな、尊敬するスペシャルゲストです」という紹介で
     正木五郎さん登場。まさにサプライズ!!
     前日一緒に飲んでいて、急遽セッションが決まったようです。

「バッド・ジャンキー・ブルース」
     サウスファンなら涙、涙ですね。
「ドッグ・オブ・ザ・ベイ」
     オーティスの大ヒット曲。
     キー坊と五郎さんは、サウスをやる前に
     大阪のミナミでディスコバンドを
     やってそうで、その時必ずやってた曲だとか。
     おなじみの口笛は有山さんが担当。
「イン・ザ・ミッドナイトアワー」
     ウイルソン・ピケットのヒット曲
     こういう曲やるなら、やっぱりドラムは五郎さん。
     すごいです。

     ゲストが引っ込んで、代わりにバックシンガーふたりが登場。
     「 踊れる曲、行こか!」
     ここからは怒濤のようなファンキーステージでした。

「扉を開けろ」
「シスコ・キッド」?
     たぶん、そういうタイトル。確かWARというバンドが
     唄っていました。
「?」
     バックシンガーがリードボーカル。タイトルが思い出せない。笑
「?」
「?」
     タイトルを知らないのですが、ノリのいいR&B。
     バンドもうまいです。
「ジョージア・オン・マイ・マインド
 〜アンチェイン・マイ・ハート」
     レイチャールズの曲をメドレーで。
     歌う前にレイチャールズへの思いを熱く語ってました。
「スルー・ザ・ナイト」
「?」
「?」
ラストは、
「ラヴ・ザ・ワン・ユア・ウイズ」
     アルバム「ROOTS」に入ってる曲。
     作者はスティーブン・スティルス。

アンコール
「シング・マイ・ソウル」
再アンコール
「イマジン」

     「どうしても俺はやりたいこと、あんねん。
      だから、日本のことがおろそかになってしまう。
      でも、どうか、そのことをわかってほしい」
     「きょうは、おおきに」
      そんなメッセージを残して2時間強のライブは終わりました。


上田正樹とサウストゥサウス(ワンステップフェスティバル)1974
「 I Can't Turn You Loose」

上田正樹グループ(ドラムは正木五朗さん)1979年頃
東京FUN FUN 大阪SOCK IT TO ME

上田正樹グループ(なんとRCの曲を歌ってます)1979年頃
「SWEET SOUL MUSIC〜」

木村充揮30周年ライブ(ゲストに上田正樹、有山じゅんじ、正木五郎、藤井裕)
「当たれ宝くじ」

上田正樹(sing my soul) 2007年
「SING MY SOUL」



OSAKA

OSAKA

  • アーティスト: 上田正樹
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: CD



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キー坊のこと。 [音楽(上田正樹)]

キー坊こと上田正樹さん。伝説のスーパーバンド
「上田正樹とサウストゥサウス」の
ボーカリスト。ウィキペデイアによると…
解散後は、ソロ活動をはじめ「悲しい色やね」が
大ヒット。その後もパワフルに活動を続け様々なブルースアーティストと
共演、さらにアジアへと拠点を広げ、高い評価を得る。とあります。
しかし、私の印象で言うと、サウス解散後から、そこまでの
道のりは紆余曲折。苦悩の連続であったのではないか、という気がします。

サウス解散後、ソロシンガーとしての道を歩んでいったキー坊。
サウスが伝説とまで言われるバンドだっただけに、ファンはサウスの
サウンドに固執した。音楽性の変化、拠点を大阪から東京に移したこと
などから、上田は終わった、大阪を捨てた、などど言う人も現れました。
新しいサウンドを受け入れず、ずっとサウス復活を待ち続けたファンも
多かったような気がします。
そのことを上田さん自身、昔、とても気にしていらっしゃったようで、
そんな話は聞き飽きた、今の俺を聞いて欲しい、といろんなところで
コメントされていたような記憶があります。

私の場合、上田さんのライブを初めて体験したのは、
ザ・ボイス・オブ・ウェストR&Bレビューというバンドの頃です。
「サウストゥサウス」と、同じく伝説のバンド「ソーバッドレビュー」が合体した
スーパーセッション。上田正樹、砂川正和、石田長生、山岸潤史
藤井裕、正木五郎、チャールズ清水、国府輝幸というメンバー。
ツインボーカル、ツインギター、ツインキーボード、で
これでどうだといわんばかりのバトルが延々と続く。まさに怒濤のような
ライブで、いまだにこのバンドのライブが自分の中でベストワンです。

そんなすごいライブを見たんですが、自分の場合、
すんなりと新しい上田さんを受け入れることができた。
「悲しい色やね」がヒットした時、まわりでは再び、あれは歌謡曲だ
という批判もありましたが、別にええやん、と聞き流しました。
アルバムが出たら欠かさず買い、その後もいろんなライブを体験。
ソロライブはもちろん、一夜限りのバッドクラブバンド再結成、
有山さんリクオさんとのぼちぼちいこかユニット、
サウストゥサウスの再再再結成ライブ、などなど。

やがて上田さんは、サックス奏者と結婚。バリへ住むようになりました。
この頃から、奥様が総合的なプロデューサーになられたようで、
なんとなく上田さんの音楽性、方向性が、変化していったように感じました。
有山さんなど昔の仲間たちとの共演がなくなったし、
日本ではブルーノートでのライブが中心に。
当時、奥様がつくられた上田さんのホームページに、ちょくちょく顔を出し、
掲示板に書きこんだりしていたんですが、なんとなく
疎外されているように感じる。いままでのイメージを払拭し、
新しい上田正樹のイメージをつくろうとプロデュースされている。
昔のファンは、スルー。そんな印象を受けました。

そういうことがあって、ホームページをのぞかなくなり、
ブルーノートはチケットが高いので、とライブにも行かなくなり、
やがてアルバムを買うのもやめてしまいました。
新しい上田さんを追いかけていきたい。でも、昔を知ってる
ファンを遮断、旧友たちとのライブを封印、
ブルーノートオンリーで活動、というのはないだろう、と。

そんな上田さんに大きな変化を感じたのは、数年前。
旧友たちとのライブの再開です。
木村さん30周年では、有山、藤井、正木というサウスのメンバーと共演。
その後も、有山さんとのジョイントライブを各所で開かれています。
変化のきっかけは、奥様。プロデュサーとの別離にあるようですね。

というわけで、再び、上田さんの音楽を少し前から聞くようになりました。
8年ぶりぐらいでしょうか。
ソロアルバム「OSAKA」。大阪厚生年金でのライブ「久しぶりキー坊」。
肩の力が抜けて、ますます歌に磨きがかかったスーパーシンガー、
上田正樹の姿がそこにありました。


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サウストゥサウスの再結成は? [音楽(上田正樹)]

「戻りたい過去なんてあらへん」そんなタイトルの
上田正樹さんの自伝が昨年の11月末に発売されました。
正直、ファンである私にとってすごくヘビーな内容でした。
音楽と真剣に向き合って生きてきた男の
苦悩、悲しみ、怒り、いらだち、いろんなものが
伝わってきて、読んでいてすごく疲れました。

しかし、ここまで書いて大丈夫なの?って内容。
敵をつくっても、ファンをなくしてもかまわない、
人生のひとくぎりとして、いままでのすべてを
さらけ出したい、そんな思いでつくられた一冊なのかもしれません。

ただ70年代の関西の音楽シーンに興味がある方が
読むととてもおもしろい本。いろんなエピソードや、
疑問に対する答えが、この本に綴られています。

・サウス4度目の再結成の可能性は?
・なぜサウストゥサウスは解散したのか?
・サウス再結成の仕掛人は忌野清志郎さん?
・「スローバラード」はサウスが歌う予定だった?
・石田長生さん初のレコーディング作は?
・山岸潤史さんがにぎってるキー坊の弱み?笑
・正木五朗さんの本名は?
・正木五朗さんがユーミンのバンドをクビになった理由?

古くからのファンですが、知らない事が
いっぱいありました。
裕さんが胃を切ったのは知ってましたが、
五郎さんが倒れたのは知らなかった。
リハビリであそこまでドラムをたたけるように
なったんですね。すごいなあ。
そして無二の親友、上田正樹と有山じゅんじ。
友達ってやっぱりええもんやねと
気づかせてくれる本でもありました。


この記事、実は、違うブログに掲載しました。
その記事を見て、この自伝を読んだある方が、「すすめてくれた方に悪いが、
かんじんな事が書かれてないし、事実と少し違う部分もあるのではないか」
と批判していました。この自伝のサブタイトルは、
「上田正樹、語り下ろし」、書き下ろしでなく語り下ろし。
インタビュー形式でカタチになったものである、と明示してるんですね。
語り下ろしだから、インタビューの中から、ピックアップして
文章にするのはライターさん。当然、省いてしまう内容もあるでしょうし、
伝えている事との微妙なズレがあるのはしょうがないと思います。

それを差し引いても、上田さんファン、70年代ロックシーンに興味がある方には、
とてもおもしろい本だと思います。


戻りたい過去なんてあらへん―上田正樹語りおろし

戻りたい過去なんてあらへん―上田正樹語りおろし

  • 作者: 上田 正樹
  • 出版社/メーカー: ケイ・アンド・ビー・パブリッシャーズ
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本



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