1966年のある日、ジョン・レノンの息子ジュリアン・レノンは
保育園から帰ると、ルーシーという名のクラスメートについて
ジョンに話した。ジュリアンはジョンに絵を見せながら
「ルーシーがダイヤモンドを持って空にいるんだ」と説明した。
話を聞いたジョンレノンは、その絵を見ながらイメージをふくらまして
曲をつくりあげた、曲名は
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」。
                     
この曲の誕生ストーリーは、こういう感じだそうです。
それだけ聞いていると、
歌詞はなんとなくメルヘンチックだし、
ジョンが子供たちに向けて書いた曲?ともとれるんですけど。

しかしこの曲は、ドラッグソングとも位置づけられて
一部のラジオ局で放送禁止にも指定された曲。
当時の親たちは、子どもに聞かすなんて、とんでもない
と思っていたかもしれません。
発売当時は、サイケデリック(幻覚剤によってもたらされる感覚や
イメージを表現する文化)の全盛期。
この曲のアレンジは、典型的なサイケデリックでしたし、
歌詞の世界も同様に見なされたでしょう。
そして、タイトル(Lucy in the Sky with Diamonds)の
頭文字をつなげるとLSD(幻覚剤)となる。
これが放送禁止の決め手となったようです。
ちなみにジョン自身は、タイトルの頭文字の話を
偶然だと否定していたようです。

で、昨日、この曲に関する一つのニュースが報道されました。
Lucy in the Sky with Diamondsのモデルとなった英国人女性
ルーシー・ボーデン(旧姓オドネル)さんが免疫疾患で46歳で亡くなった
というニュース。
               (ルーシーさん死去yomiuli online)

これを聞いて「ええっ?」って思った人、多かったのでは
ないでしょうか。ルーシーさんは、とっくに亡くなったって
Wikipediaに書かれてましたから。記憶違いかなと思って
調べてみると、やっぱりルーシーさんは2005年に乳がんでなくなったって
書かれている。そして名前も違う。ルーシー・リチャードソン???

ニュース報道は正しいだろうし、じゃあWikipediaの記事って?
と思って、きょうのぞいて見ると、
ルーシーさんに関する記述が完全に抹消されている。
Wikipedia/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
う〜ん、消したっていうことは
間違いを認めたってことかな。
いろんなブログをのぞきましたが、
みなさんWikipediaを信じて、この曲の解説をされてるようで、
「ルーシーさんは2005年に亡くなりました」。
なんて記事があふれています。
著者不明の情報を信用しすぎると、こわいですよね。笑

ちなみにweblioでは、ルーシーさんの記述、
今日現在、まだ削除されていません。
weblio/ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(Wikipedia)
(↓クリックで拡大)


しかし誰が書いたんだ、この記事。笑
2005年6月1日に死去した。
奇しくも6月1日は『サージェント・ペパーズ〜』が
1967年にリリースされた日付であった。
彼女がウェイブリッジで埋葬されたとき、
歌のタイトルを象徴するように、
家族は墓にクリスタルをまいた。


何年たっても話題の尽きないビートルズ、
それだけ偉大なバンドだったということでしょう。
動画を見ると、確かに幻覚っぽい?
でも、いい曲ですね。






サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2009/09/09
  • メディア: CD





10月1日追記。

もうひとりのルーシー、ルーシー・リチャードソンさんに
関する記述を見つけました。

ルーシーを巡ってはジュリアンの幼なじみのルーシー・リチャードソンとの
説もあったがビートルズの伝記作家やバンド・メンバーの話から
ルーシー・オドネルの可能性のほうが高いといわれていた。
(つれづれなるままに/ルーシー・イン・ザ〜のルーシーが逝去)

この文章の情報ソースは、どれなのか誰なのかはわかりませんが、
なんだか意味がよくわかりませんね。
「可能性が高い」って
ジュリアン・レノンに聞けばわかることでしょ?
どちらのルーシーがモデルなのかを
ずっと内緒にしていた、
あるいは誰も聞くことができなかった
ということなんでしょうか???