親は子供に夢を持って生きなさい、と言う。
でも、それは子供にとってプレッシャーになるんじゃないか。
もう少し楽にしてあげたほうがいい、
生きてるだけで素晴らしい、と教えてあげるべきじゃないか。
北野武さんは、テレビでそんなことを言っていました。
この考えには賛成です。実は大人だってそうですよね。
学生時代に夢を持てた人も、それがこわれてしまうと、
とてもつらくなる。なにか新しい夢を探さなければ、
と必死になる。でも、ひとつの夢を追いかけてた人は、
それをなくすと、喪失感が大きすぎて、なかなか次へ進めないんですよね。

北野武さんは、そんな気持ちを一遍の詩にして、
子供たちに捧げています。全文を掲載するのは問題あるかもしれませんが、
とてもいい詩だし、省くと意味が伝わりにくい。だから、
転載させていただきます。
北野さんのこの詩も、
「一遍の詩があなたを強く抱きしめることがある」という本に
掲載されています。


だまされるな  北野武

人は何か一つぐらい誇れるものを持っている
何でもいい、それを見つけなさい
勉強がダメだったら、運動がある
両方ダメだったら、君には優しさがある
夢をもて、目的をもて、やればできる、こんな言葉に
だまされるな
何も無くていいんだ
人は生まれて、生きて、死ぬ
これだけで、たいしたもんだ