ボブディラン日本公演2010、
3月16日、ZEPP大阪、ライブレポ。(開演までの様子は、こちら)。

追加公演でプラスされた3月11日からはじまったボブ・ディラン
日本公演。今回の公演も、日替わりセットリストになるだろうと言われて
いましたが、今日で5回目、すでに終わった11、12、13、15日の
リストを見ると予想以上に入れ替えている、ということで
わくわくしながら開演を待っていました。
オールスタンディングのせまいハコという環境もあるんでしょうが、
開演前からかなりの熱気。明るいうちから
手拍子がはじまったり、かけ声が飛んだり。
昔は、そういうライブが多かったですよね。すごく懐かしかったです。

予定を15分ほど過ぎて、MC登場。こういうのも懐かしい。
「〜レディス&ジェントルマン、ボブ・ディラン」。
そのオープニングの様子の動画(というか音声)が早くも
YOU TUBEにUPされています。(参考

ディランは、上下が黒の衣装。黒の帽子。
そして真っ赤なシャツ(orスカーフ?)というスタイルでした。
最近は、ほとんどが鍵盤を弾きながら歌う、ということですが、
やはり、まっ先にキーボードの前に。
一曲目は、早くも意表をつかれました。有名どころを
持ってくるかな、と思ったんですが、アルバム「Under The Red Sky」から
「Cat's In The Well」。

二曲目は、ボブ・ディラン、HARPを手にセンターマイクの前へ。
どうやらスタンディングで歌うようです。
曲は、私にとっては、まさにビッグザプライズでした。
メロディをガイドするようなイントロだったんで、あれれ?
と思ったんですが、歌い出すとやっぱりあの曲。
「This Wheel's On Fire」。
「火の車」という邦題が付けられたこの曲、
ボブディランのレパートリーというより、
ザ・バンドの演奏で知られる曲。今は亡きリックダンコが
来日公演の時、熱唱していたのを思い出して、もう涙、涙。
ゆっくりとしたテンポで、語りかけるように歌うボブ・ディラン。
アレンジがすごくいいです。

続いてアルバム「Love and Theft」から
「Summer Days」。
次の曲もイントロですぐわかった。懐かしのナンバー、
「I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)」。
このあたり、ディランは、ずっとキーボードです。
ひょっとしたら、ギターを弾きながらより、この方が歌いやすいのかな
と思ってたら、音をはずしましたwww

ふたたびステージ真ん中で、HARP片手に歌います。
アルバム「Together Through Life」から
「Forgetful Heart」。

そして、ここで大好きな曲をやってくれました。
この日のセットリストは、個人的には大当たりですww
「Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)」
GEORGE RECILEというドラマーは、LEVON HELMのファンなのかな?
こういう曲でのシンバルワークを聞くと、そう感じました。
共演経験もあるみたいだし。

次の曲も、レアですよね。
「John Brown」。
その次は、アルバム「Under The Red Sky」のタイトル曲
「Under The Red Sky」。
アルバム「Love and Theft」から
「Honest With Me」。

ここで、プロテストソングの代表曲、
「戦争の親玉」という邦題がつけられた反戦ソングが登場。
「Masters Of War」。
続いての曲も、ディランの代表曲。今回のツアーでは
ずっと歌われているようですね。
アッポテンポのロックアレンジで聞かせてくれます。
「Highway 61 Revisited」。
ディランのキーボードとチャーリーのギターとの
掛け合いがありましたし、かなり盛り上がりました。
今回のツアーのハイライトのひとつだと思われます。

今回、このアルバムからの選曲が多いです。
アルバム「Love and Theft」から
「Po' Boy」。
アルバム「MODERN TIMES」から
「Thunder On The Mountain」。
ちょっとリズムが乱れたような気が???
でも演奏のテンションはすごい。

ラストの曲は、今回、この曲で固定されているようです。
「Ballad Of A Thin Man」。
アレンジ、歌い方、パフォーマンス、
とにかくめちゃくちゃかっこいいですwww
ステージ中央で、ハンドマイクで歌います。

ここからアンコール。中々出てきませんww
(ゆっくり休憩って、ことなんでしょう)

「Like A Rolling Stone」。
「Jolene」。
アンコールで盛り上がりは、最高潮。
Like A Rolling Stoneは、大合唱となりました。

メンバー紹介。事前の情報通り、初めてここで、
ボブ・ディランがしゃべりました。
日本だからしゃべらないのではなく、ずっとこうだそうですww

「All Along The Watchtower」。

拍手なりやまず。場内が明るくなっても「ワンモア!」などの
声が飛び交っていましたが、そのまま終演。公演時間は2時間弱でした。



あと、感じた事を羅列します。

今回のライブは、全体的にそうですが、
アレンジ、そして歌い方が非常にかっこいいです。
原曲とはかなり違うのはいつものことですが、
歌いはじめるまでわからない、というアレンジではなく
イントロだけで、曲が連想される、そういうアレンジの曲が
多いような気がしました。
そして何曲かで、語尾を伸ばすというか、叫ぶというか、
最盛期の歌い方に近いものを感じました。

印象としては、すごくロックです。
それも懐かしいロック。最初のMCもそうですが、
全体的な雰囲気がそう。ドラムのカウントで
ドンピシャで曲がはじまり、ドンピシャで終わるってのではなく、
ルーズな感じ。こういうの、「ジャム」って言葉が
当てはまるのかな?
曲の合間に、バスドラがドドドドッて響いたり、
ギターがジャーンと鳴ったり。
この雰囲気が、懐かしいなって思いました。

ボブ・ディランは、演奏のテンションを非常に重視している、という話を
何かで読んだ記憶がありますが、セットリストを日替わりにするのも
そんな意味合いなんでしょう。毎日同じ曲だと、
演奏はほぼ完璧にできる、というメリットはあるものの、
どうしても緊張感が薄れていく。
曲によっては、ミスってる部分(特にディランww)が
あるんだと思うんだけど(たぶん)、すごく、いい演奏だと感じられました。

バンドとしては、やっぱりチャーリー・セクストンですかねえ。
若干17歳でソロ・デビューした、かつてのギター小僧ですが、
非常に華がありますね。パフォーマンスもサウンドも。
そして、ボブ・ディランは、現役バリバリのロックシンガーでした。
たぶん、いろんなミュージシャンが見に行くんじゃないでしょうか。
もし、忌野清志郎が元気だったら見に行ってたんだろうな。
「なかなか、やるじゃん」なんて言って。



あ、そうそう、最後に、
今後見にいく方へ。
ボブ・ディランの鍵盤は右サイドにあるので、
入場されたら、右側へいく方がいいと思います。