父は、この作家さんが好きだったのかな。
実家の父の部屋から、またまた小杉健治さんの小説が
出てきたので、続けて読むことにしました。
タイトルは「父と子の旅路」。前に読んだ、
「絆」もそうでしたが、これも裁判をテーマにした小説。
推理小説というジャンルになるのかな。
法廷も舞台にはなってますが、そこでのやりとりが
メインではないので、法廷ものとは
呼べないかもしれません。

で、感想としては、ものすごくおもしろい。
そして感動。過去に読んだ推理小説と比較しても、
おもしろさではかなり上位にきます。
個人的には「絆」よりも好き。

これは、我が子のために無実の罪で死刑囚になった
父親の物語。無実でありながら、ある秘密を守るために
沈黙を貫き死を待ちます。
父が我が子に注ぐ無償の愛が、そこに込められたテーマ。
何があっても、命をかけてでも、子どもだけは守る。
親は、そう思いますよね。育児中のお父さんに
おすすめの一冊かもしれません。
「絆」もそうですが、この方の小説は、根底に
決してゆるぐことのない人間愛があるんですね。

ストーリー展開も見事だと感じました。推理小説をたくさん読んでる方なら
わかるのかもしれませんが、私には、その真相が読めませんでした。
だから、それがあかされた瞬間、「え〜〜〜」と
声を出してしまいました。それ以降、すこしリアリティに
欠ける部分が出てくるのが気になったんですけど、
まあでもおもしろいです。

あんまりおもしろかったんで、友人に無理にでも貸そうかと
思っていますww で、感想を聞きたい。
でも、本当は、これを読んだであろう父と
語り合いたかった。




父と子の旅路 (双葉文庫)

  • 作者: 小杉 健治
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 文庫