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瀕死の双六問屋。 [音楽(忌野清志郎)]

5月31日の朝日新聞に「売れてる本」として、
忌野清志郎さんの「瀕死の双六問屋」が紹介されていました。
その紹介で、さらに火がついたようで(笑)
「緊急増刷決定」なんて新聞広告がきょう出てました。
この本が発売されたのは、確か2000年。なんでこんな古い本が?
と思っていたら、文庫本になっていたんですね。
発売当時は、こんな表紙でした。

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この本は、テレビブロスに連載された清志郎さんのコラムを
まとめたもの。コラムに、イラスト、漫画、
そして自作や敬愛するオーティスやジミヘン、ディラン、ザ・バンドらの
レコード評なんかもあって、ファンとしてはたまらない一冊でした。
タイトルの「双六問屋」というのは、「すごいロックの問屋」
という意味。清志郎さんお得意の言葉遊びでもあり、
ひとつのメッセージでもあります。
「すごいロックをやってるやつが瀕死の状態だ!」。
これを裏返せば、ぜんぜんすごくない音楽の作り手が、
大もうけしている、そういうことでしょうか。

第一話は、こんな感じではじまります。

双六問屋に行ったことがあるかい? そこはみごとな世界だった。
双六問屋の世界では履歴書などいらない。学歴や職歴を誰に告げる
必要もないのだ。タレントが画廊で個展をひらいたりしないし、
歌の下手な者がCDを出したりもしない。退屈な夜を
うすっぺらい笑いや、ブスい女の裸でうめようともしない。
そんな必要はないからだ。
(忌野清志郎著 「瀕死の双六問屋 光進社  第一話本文より)
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清志郎は天才的な言葉の使い手であった。しかし歌詞の素晴らしさに比べ、
彼の文章の驚くべき面白さはあまり知られていない。
(朝日新聞「売れてる本」)。
と書かれてましたが、まさにその通り。亡くなったことで
ブームになるのは、とても複雑な気分ですが、こうやって
再増刷されるのは、うれしいものです。

ただ残念なのは、文庫本バージョンにはCDがついてないこと。
当初は4曲入りのCDが付いていたんですよね。
本人はおまけなんて書いてましたが、そんなもんじゃない。
ラフィータフィーのメンバーと録音した極上の4曲入りの
CDで、ミニアルバムとして発売されてもおかしくない出来です。
(まぼろしのアルバムとかいって発売されたりして。笑)

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おまけとしてCDも作った。こっちもぜひ楽しんで欲しいな。
これらの曲はとても気にいっていて、本のおまけじゃもったいないと
思い始めてるんだ。でも、いいさ。僕は太っ腹だからね。
(忌野清志郎著 「瀕死の双六問屋 光進社  あとがきより)



瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

  • 作者: 忌野 清志郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/09/06
  • メディア: 文庫



いちおう、参考までに。
瀕死の双六問屋(光進社版)中古
※こちらの単行本版の中古は、CDがついてない場合がほとんどのようです。
付いてるものは非常に高価です。ご注意ください。



タグ:忌野清志郎
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コメント 2

オレンジ

こんにちは。オレンジです。

「すごいロックの問屋」ということだったのですね!

>ぜんぜんすごくない音楽の作り手が、
>大もうけしている

そうですね。本当のことや本物がわかる人が少ないからこんな世の中になっているのかもしれませんね。
これは子どもを育てる時に「親の言うことばかり聞いてちゃ危険だよ」ということだと私は思っています。

清志郎さんの言葉には大事なメッセージがいっぱい詰まっていて素晴らしいですね。
本は早速注文したのですが、このCDも欲しかったです!!

by オレンジ (2009-06-04 12:58) 

BRUCE06

オレンジさん。
子育ての事、確かに
そうですね。

この本、おもしろいですよ。
CD付きで再版してくれれば
いいのですが、難しいんでしょうね。
by BRUCE06 (2009-06-04 13:16) 

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