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忌野清志郎「ネズミに捧ぐ詩」を読んだが。 [音楽(忌野清志郎)]

忌野清志郎には二人の母がいる。産みの母と育ての母。
産みの母は、清志郎が3歳の時に胃がんでなくなり、
その後、産みの母の姉に引き取られ育てられている。
3歳までの記憶は、7歳ぐらいでほぼ消えてしまうそうだ。
忌野清志郎も、そうだったことだろう。
実母の顔も、そして存在も知らずに大きくなり、
ミュージシャンとして活動していたのだ。

そんな清志郎のもとに、実の母の存在を知らせる
荷物が届けられる事になる。実母の遺品だ。
育ての母と育ての父が亡くなったことを
きっかけに、封印が解かれたのだ。
人生というのは、思わぬ出来事が待ち受けていていることがあるが、
「実母がいた」、これはもう、ものすごい衝撃を受けたのでは
ないだろうか。遺品を届けるか否か、栗原家の人たちも、
相当悩んだことだろう。

「ネズミに捧ぐ詩」、それは、実母の存在を知った
清志郎が、堰を切ったようにノートに書きはじめた文章を
書籍化したもので、詩や日記、エッセイが収められている。
この本は、ファンの間で好評なようだ。
母への愛が伝わってくる、清志郎の思いがあふれている、
などと絶賛されている。だが、私はそれとは逆の感想を抱いた。
読んでいて、つらいというか痛い。
普通の精神状態ではなかったんじゃないだろうか。
高揚しているというか、冷静さを欠いているように感じる。
綴られている詩の数々に、清志郎らしい表現もあるが、
清志郎らしくない部分も多々あるように思った。


Hey ! Baby 見てみろよ
何て可愛いんだろう!
わーい、ぼくのお母さんて
こんなに可愛い顔してたんだぜ
こんなに可愛い顔して
歩いたり、笑ったり、手紙を書いたり
歌ったり、泣いたりしたんだね

「Happy」ネズミに捧ぐ詩より


もし清志郎が生きていたら、このノートを本にしただろうか?
書かれた当時、ノートのコピーをマネージャーに
渡していたそうだから、なんらかのカタチに
しようとしていたのかもしれない。
しかし、実母の存在を知らされた直後と
何年か後とでは気持ちが大きく変化していても不思議はない。

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立て続けに読んだ忌野清志郎関連の本、三冊。いちばんはじめに入手して、
いちばん最後に読み終えたのが、「ネズミに捧ぐ詩」だ。
読みはじめたのも、この本が最初だったのだが、途中で読むのがつらくなって
結局、最後になってしまった。

参考引用/「あの頃、忌野清志郎と」片岡たまき著




ネズミに捧ぐ詩

ネズミに捧ぐ詩

  • 作者: 忌野 清志郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
  • 発売日: 2014/05/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)








タグ:忌野清志郎
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