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西武・そごうのお正月広告。やるやん!と思ったのだが... [広告]

今年の「西武・そごう」のお正月広告が話題になっているようだ。
さ、ひっくり返そう。というキャッチで、
ビジュアルは、炎鵬関。タレント広告の一種だと思うが、
人物は真ん中に小さく添えられているだけで、
タイポ案ととらえた方がいいかもしれない。ボディコピーを
しっかりと読んでもらおうというレイアウトだ。

で、ボディを読んでいくと、最後に、
「ではこれを逆さに読んでくれ」というコピーに出会う。
それを読むと、まったく違う落ちへと到達するという仕掛けだ。



さ、ひっくり返そう。

 大逆転は、起こりうる。

 わたしは、その言葉を信じない。

 どうせ奇跡なんて起こらない。

 それでも人々は無責任に言うだろう。

 小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。

 誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。

 今こそ自分を貫くときだ。

 しかし、そんな考え方は馬鹿げている

 勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。

 わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。

 土俵際、もはや絶体絶命。


文章を下から上へ、一行ずつ読んでみてください。逆転劇が始まります。



そごうCM



久々におおっ!と思った広告。お正月広告の中で、
いちばんインパクトがあったのではないか。コピーそのものは、
HONDAの企業広告「負けるもんか」に近い感じがしたのだが、
なによりひっくり返して読むと意味がひっくり返る、
というそのアイデアが秀逸だと思った。キャッチとも見事に一致しているし。

当然、このアイデアは話題になるだろうと思っていたが、
別の観点からも、議論が巻き起こっているようだ。
それはこのクリエィティブの是非についてだ。
肯定的な意見が多いようだが、
この広告では売り上げにつながらない、客が集まらない、
今のそごうのイメージに合わないなどなど、
否定的なコメントがSNS上で多く寄せられているのだそうだ。
まあでも、商品広告でもイベント告知でもないわけで、
いわゆる「文句いい」の意見だと思う。
話題になるだけで、広告としては大成功なわけで、
これを作った人たちに、拍手をおくりたい、


と、その時は思ったのだが...。

それからしばらくして、業界の大先輩が、
「新年早々気分の悪い広告を見た」と
某SNS上で激怒されていた。
なんとそれが、この広告。
このアイデアは元ネタがあって、
あきらかにパクリだとおっしゃっていた。

その方が、貼り付けていたリンクがこれ

ads of the world/the truth

なんと13年前のカンヌ受賞CM。
動画の場合、音楽が転調するのもそっくりだ。

どうなんだろう。これを作ったスタッフは、
この元ネタを知っていたのか?

話題になっているのは、このこと。
元ネタがある手法を
使っていいのか悪いのかの議論が巻き起こっているのかと
思っていたのだが。

難しい問題だと思う。
う〜ん、私ならやらないな。


追伸

この件をいろいろと調べてみると、
逆さから読んだら意味が変わるという手法。
海外ではあたりまえらしい。
日本では回文が知られているが、
それと同じようなもの。
海外では子どもたちが授業で学ぶんだそうだ。

だとすると、パクリうんぬん
という話では
ないということかな。
回文で広告を作っても
パクリだとは言われないだろうし。

発想がすごいのではなく、
日本では知られていない手法を持ち込む、
という目の付け所がすごいということかな。




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