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名前に込めた想い。 [亡き娘のこと]

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娘の障害は、妻のお腹にいる時に
見つかりました。無事に生まれてくるという
保証もなく、何度か危ない状態になったのですが、
妻はお腹をなでながら「がんばれ、がんばれ」と
娘をはげまし続けました。そんな妻と娘の姿を
見ながら、父親としてなにか
できることはないだろうか、と考えていました。
そこで思いついたのが、名前です。
なんとか元気で育ってくれるように、強い子に
なるような名前を考えようと。

娘には、ある花の名前をプレゼントしました。
野に咲く花のように、強く、たくましく。
そしてみんなに愛される可憐な花のように
育ってほしい、そんな願いを込めたのです。
娘は、その名のように、余命は一年もないと
いわれながら、一年と八ヶ月も生きてくれた。
多くの人に愛されてその生涯を閉じました。

娘がなくなってから、夫婦ではじめて外出したある日。
ある曲と出会いました。
それは、偶然入ったレコード店、足を踏み入れた瞬間に
その曲が流れてきたのです。その歌詞を耳にして、私たち二人は
顔を見合わせ、涙ぐんでしまいました。
あの子が教えてくれたんだね、そんな言葉を交わしたのを覚えています。

店を出た後も、その曲が気になって、ふたたび店へ。
店員さんに、その曲のことを尋ねました。でもわからないと言う。
そこで、印象に残った「アナタの一番好きな花の名前を付けました」
という歌詞をたよりに検索したのです。


「アンマー」 作詞:前川慎吾  演奏:かりゆし58

初夏の晴れた昼下がり 
私は生まれたと聞きました
 
母親の喜び様は大変だったと聞きました
 
「ただ真っ直ぐ信じる道を歩んでほしい」と
願いこめて
 
悩み抜いたすえに 
この名を私に付けたと聞きました

(中略)

春先の穏やかな朝に
新しい命が生まれました
アナタの様に良く笑う
宝石のような女の子
「優しさの中に凛々しさを
秘めた人になるように」と願い
アナタの一番好きな 
花の名前を付けました

(全歌詞)


母親への想いを綴った、素敵な歌詞ですね。
名前に願いを込めようとする親の思いが伝わってきて、
いまでもこの曲を聴くと、涙がこぼれそうになるんです。
名前は、親が生まれてきた子に贈る最初のプレゼント。
いろんな願いが込められた、かけがえのない
贈り物ではないでしょうか。


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