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亡き娘のために、父親としてできること。 [亡き娘のこと]

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娘が生きた証をカタチとして残したい。そう思ってチャレンジした
毎日広告デザイン賞。この賞は、一般公募部門もあって、
それでグランプリをとれば、実際に新聞に掲載されます。なんとか
グランプリを取って、娘の生涯をみんなに知ってもらおう。そう意気込んで
取り組むことにしました。でも、やってみると、これが全然進まない。
元々企画に無理があったのです。最初に、娘の写真を
ビジュアルに使うことを決めた。そうでなければ意味がないからです。
その後、テーマを決め、コピーを進めていった。
しかし父親としてのいろんな思いがあってうまく書けない、
自分が立てたテーマを、客観的に見つめることができなかったのです。
書くべきことに迷いに迷い、書いては直し、書いては直しの繰り返し。
約3ヶ月、100回以上は書き直したような記憶があります。仕上げた後も、
あそこはこう書くべきだったんじゃないか、という不満が残りました。
コピーライターとしてというより、父親として、これが限界だったのでしょう。
提出した完成形が、これです。





mainichi-bA.jpg



パパ、おっぱい、ありがとう。


赤ちゃんは、母乳やミルクだけでは大きくなりません。たくさんの愛情が
必要です。愛情に満たされている赤ちゃんは、情緒が安定して、よくねむります。
よくねむる子は、成長ホルモンの分泌が活発なので、スクスクとすこやかに
育っていきます。愛情、それは、もうひとつの「おっぱい」なのです。
母乳は、ママしかあげられません。でも、愛情という「おっぱい」なら、
パパだって注ぐことができます。パパが育児に参加すると、赤ちゃんは、
ママからも、パパからも、たくさんの「おっぱい」をもらえるようになります。

私も、育児に参加し、赤ちゃんに「おっぱい」をあげたパパのひとりです。
私の娘は、障害児。1年以上生きる確率が10%未満といわれる、
重い病気をかかえて生まれてきました。娘が短命であることを知った時、
私が心に決めたのは、育児にできる限り参加しようということです。
育児休暇制度は、私の仕事環境にはありません。しかし、働いていても、
時間はつくれます。早起きしたり、仕事をスピードアップしたり、
つきあいを減らしたりして、毎日、欠かすことなく、娘とふれあいました。
病気と闘っている赤ちゃんは、ぐずりがちになるといいます。
でも、娘は、ごきげんさん。よく笑い、よくねむる、赤ちゃんでした。
苦しい顔はほとんど見せず、何度も何度も、奇跡を起こしてくれたのです。
そして、1年と9ヵ月。やすらかな笑顔を浮かべ、
遠い空へと旅立っていきました。
私が育児に参加して、ママと一緒になって「おっぱい」をあげたこと。
それが、娘にどれくらいの影響を与えたのかは、わかりません。
しかし、少なくとも笑顔の数を増やすことはできたのではないか。さらに、
その笑顔が生きる力となって、病魔を少し遠ざけた、そんな気もするのです。

赤ちゃんは、ママとパパの「おっぱい」をたよりに、強く大きく育っていきます。
これからパパになるあなたも、育児に積極的に参加してみませんか。
仕事との両立になる方は、たいへんかもしれません。でも、育児はとても
楽しいもの。疲れなんか吹き飛んでしまうような素敵な贈りものを、
赤ちゃんからもらうことができます。それは、あなたに見せる
とびっきりの笑顔。「パパ、ありがとう」っていう心からのメッセージです。


これからパパになるあなたへ、ひとりのパパから伝えたいこと。




残念ながら、夢は叶いませんでした。父親の子育て参加は、いまやあたりまえ。
審査基準に斬新さ、新しい視点というものもありましたし、
あまりにもテーマとして古すぎたのでしょう。たんに、広告としてイマイチと
判断されたのかもしれませんが。(笑)
しかし、この賞、いつかリベンジします。
次は娘の事以外のテーマでチャレンジします。

きょうは娘の命日、娘の事に関する話は、これでしばらくお休みします。


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