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忌野清志郎の頭の中(1)ロック、そしてラブ&ピース。 [音楽(忌野清志郎)]

忌野清志郎は、不思議な人だ。
正義を訴えたかと思うと、
ただの悪ふざけにしか思えない行動もとる。
怒りに満ちたプロテストソングを歌うかと思えば、
繊細なラブソングも歌う。
マスコミを批判することもあるが、
TVにも出る、CMにも出る、俳優にもなる。
ヒーローに見えたりヒールに思えたり、
ただのダジャレ好きのオヤジになったりもする。
この一貫性のなさは何だろう?

清志郎に「活動のモノサシは何だったんですか?」と
問いかけると、「そんなものはないんだよ、
ないほうがかっこいいだろう、それがロックだろ」
そんな答えが返ってきそうな気がする。
清志郎を、あえてひとつの言葉で
括るとすれば、それは間違いなく「ロック」だろう。
政治的メッセージや思想を持って
活動していたのではなく、
ロックのバンドマンとして、
やりたいことをやって、歌いたいロックを
歌っていただけなのだと思う。
清志郎のプロテストソングについて、泉谷しげる氏は、
このように書いている。

 ああいう反原発とか反核といった歌詞について。
 さんざん会って飯食って話していても、あいつは社会が
 どうだという話はまったくしたことがなかった。
 一度だってなかった。逆にオレがその手の話を
 ふっても、彼は「う〜ん、そうか、たいへんだな。」と
 他人事みたいに言ってた。(泉谷しげる)

    「ぼくの好きなキヨシロー」(WAVE出版)より


ただ、音楽、特にロックへのこだわりには
すごいものを感じる。
清志郎は、かつて(80年代後半)、日本のロックと呼ばれていた
音楽が大嫌いだったようだ。
歌いたいことを歌う、
歌いにくいことを歌う、
歌ってないことを歌うことで、
これがロックだ!と訴え続けていたのだろう。
反戦歌も反核の歌も、ラブソングも同じように歌った。
童謡も国歌も、ロックにしてみせた。
そのロックを阻止しようとするものとは、とことん戦った。
思想と戦ったのではなく、権力と戦ったのだ。
その権力とは、歌いたいロックを歌えないようにする
マスコミや音楽業界だ。

 忌野清志郎「どいつもこいつもロックとか言って
       髪の毛ブっ立ててさ、この街から出ていこうとかさ、
       言ってるわけじゃんよ。恥ずかしいよな、あいつら。
       そんな奴ばっかりだから、政治的なことを歌ったり
       するのはですね、カッコいいと思いましたね」
 渋谷陽一 「とりあえず忌野さんにとっては、
       政治的メッセージというよりは、
       何か人のやってないことを
       やりたいみたいな、そういう要素が強いと」
 忌野清志郎「うん、そういう要素も多分にあると思う。
       いつもそうだったし」
              (中略)
 渋谷陽一 「政治的な行為そのものをカッコ悪いと思っていた
       忌野清志郎が今、何故?」
 忌野清志郎「当時みんながやってたからカッコ悪いわけで
       あってね。今誰もそんなこと歌ってないの、
       だから俺は歌ってんだ。もし、まわりに
       そんなヤツがいたらカッコ悪いと思うよね。」

        「ロッキングオンJAPAN特別号」カバーズインタビューより


 今井智子 「カバーズでは、たまたま反原発の歌が
       クローズアップされたけれども、歌いたかった
       ことはそれだけではなかったんでしょう?
 忌野清志郎「そうそう」
 今井智子 「何だったんでしょう?それは」
 忌野清志郎「だから、それは、今やロックが忘れてしまった
       歌う内容をさ、もう一回、自分で歌いたかったんだよね。
       自分が聴いて育った、戦争反対とかさ…(略)」

          「清志郎が教えてくれたこと」より


かたくなにロックであり続けようとした清志郎だが、
それに反するような行動もあった。父親としての顔を見せる時だ。
子どもをステージに上がらせたり、一緒に
レコーディングしたり、絵本をつくったり。
子どもが生まれてからは、ロックンローラーで
あることを忘れたかのような言動も目立ちはじめた。
その変わりように失望し、離れていったファンが
たくさんいると聞いている。
しかし、私は、清志郎のこの人間らしい
部分が大好きだった。
敬愛するオーティスレディングをマネてはじめたという
「愛しあってるかい?」の呼びかけ。(過去記事
それも、最初は単なるパフォーマンスであったのだろうが、
いつの日か、ひとりの父の切なる願いへと変わったはずだ。
人と人が愛しあっていれば、争いごとなんか
起こらない。次の世代のために、掲げようラブ&ピース。

忌野清志郎の頭の中には、政治的メッセージや思想なんて
何もなかったはずだ。
あったのは、ロックへの強い思いと、
ラブ&ピースだったと思う。


ROCK ME BABY(作詞:忌野清志郎・三宅伸治)

宗教も思想もいらない
俺は何も持たない
ロックンロールの神様 
俺にはついてる
ここにおいでよ今すぐに
争うことはもう止めておくれ
(以下、略)   (全歌詞)(you tube

(敬称略)



2へ続く




(参考文献)


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忌野清志郎について、いろいろと書きたくなった。 [音楽(忌野清志郎)]

あれは確か中学一年生の時だったと思う。
私が通っていた中学にはとても人気のある
社会科の先生がいた。その先生は、
ある日の授業で、戦争の様々な写真を見せて、
戦争の悲惨さを声高々に訴えた。その後、
戦車や航空機など、自衛隊の装備品を次々と
生徒に見せ、「すごいやろ、自衛隊の武器も。」
「みんな、どう思う? どう見てもこれは軍隊やな。」
「どんどん人を殺せんねんで」
「これでも自衛隊賛成、言うヤツは手を挙げてみい」と
叫んで、教室内を見回した。

その瞬間、私は「は〜〜〜〜い」と手を挙げた。
もちろん、たった一人である。
教室の中の空気はぴ〜んと張りつめ、
その先生は、顔をひきつらせていた。
そして、授業終了後、あきらかに
私に聞こえるように、「自衛隊賛成なんて言うヤツは、
戦争言って死んでしまえ」と言いながら
教室を去っていった。

私は、自衛隊に賛成でも反対でもなかった。
興味がなかったのだ。
ただ、学校の先生が、自分の思想を
生徒に一方的に押し付けるのは
間違ってるだろうと思ったし、
腹が立った。逆らってみたくなったのだ。

押し付けられると、逆らいたくなる。
権力みたいなものと、戦ってみたくなる。
それは性格みたいなものかもしれない。
似たようなことを、高校、大学、
そして社会に出てからも繰り返した。

フリーになる前に、ある広告プロダクションで
働いていたが、ここは社長の持つ権力に社員が
支配されていた。社長が黒といえば、白いものでも黒。
古いアイデアなのに、社長が言えば「おおすごい!」と
拍手するような会社。社長がラフな服装がキライだからと、
社則があるわけでもないのに全員ネクタイ姿。
社長が神様みたいに、あがめられていた会社だった。
なぜ、そんなに力があったかというと、社長は
デザイン界の重鎮とされ、幅広いコネクションを
持っていたから。みんなそれをおそれていたんだと
思うが、私は正直、そんなもの、こわくなかった。
社長の陳腐なディレクションに対して、
正直にものを言い、ひとりノーネクタイで通した。
社長には、そうとう嫌われたはずだ。
若手社員からは、「ひそかに応援してます」とか
「負けないでください」とか言われたりしたのだが、
別に会社のために戦っていたわけではない。
変だなと思ったし、逆らいたくなっただけ。
困らせてやろう、驚かせてやろう、
という気持ちも少しあったのかもしれない。

フリーになってからも、似たようなこと、
しょっちゅうやってた。違うだろ、それ、と思ったら、
そのまま行動してしまうのだ。
そういえば、一度、某代理店の制作局長に、
生意気だと怒鳴られたこともあったが、
これは、ちょっとビビったw

結婚して、子どもが生まれてからは、
すこし変わったような気がする。
年をとった
ということかもしれないけれど。
でも、根っこの部分は
変えようがないんだな、と感じることがある。

で、そうやって生きてきてどうだったかと
言うと、別にいいことなんかなんにもない。
得たものは自己満足ぐらいで、
むしろマイナスに働いたことの方が
多いように思う。
中学の時だって、間違いなく社会の
成績は下がってただろうしw
会社では、まっさきにリストラ対象にされた。
そして、なによりもカラダに悪い。
すごく疲れるのだ。

ひとつの力にさからうこと、それは、
人とは違うことをやることだったりもする。
驚かすこと、目立つことでもあり、
ちょっとした快感にもつながるが、
多大なストレスがかかる。
どんなに神経が太い人間だって、
疲れるはずだ。
なんで、こんなこと
やってるんだろう、って後悔したりする。
でも、また、やってしまう。

人が人に自分と同じ匂い、同じ種類の何かを
感じることがあると思うが、
私は、忌野清志郎に、それを感じる。
もちろん、清志郎と似てるなんて、
あつかましいこと思ってないw
やることのスケールが圧倒的に違うし、
才能、そして勇気というものも足もとにもおよばない。
ただ、根っこの部分で、ほんの少し近いものが
あるような気がする。
だから、清志郎の言動、音楽に強く強く
ひかれるのだろう。

私が、いままで「逆らって」きたのは、
いい広告をつくるため。
じゃあ、忌野清志郎は何か、
それは間違いなく、いいロックをつくるためだ。
歌いたいことを歌うために、それを
阻止しょうとする権力と戦った。

忌野清志郎について、ちょっと長い文章を
書いてみようと思う。忌野清志郎論みたいなものだ。
親交があったわけでもなく、単なるファンのひとり、
無名のライターの端くれが、
偉大なるロックンローラーについて偉そうに
論じてもいいものか、とも思うのだが、
パートナーだって、その人間の本質なんてわからない。
友人たちもそう、子どもだってそうだ。

もうすこしで三回忌だし、
なぜか反原発運動のシンボルとして
クローズアップされてたりする。
だから、思いつくまま、書いてみよう。

もし、忌野清志郎が生きていたら、
「サマータイムブルース」を歌うだろうか?。

忌野清志郎の頭の中。

(敬称略)


続く


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ゴキゲンだぜ!!忌野清志郎 アーカイブ・ボックス [音楽(忌野清志郎)]

ピンポーンという宅急便屋さんのチャイムで、何か頼んでたっけ?
とドアをあけると、「忌野清志郎 アーカイブ・ボックス」でした。

正直、その存在を忘れてたんですよね。
このボックスセットでいちばん期待していたのは、
FM802所蔵の未発売ライブ音源。
802主催の清志郎さんイベントといえば、「ミートザワールドビート」、
「3回のナニワサリバンショー」、そして復活した時の
「祝春一番」などなど、まさにファンにとってお宝といえる
音源が残ってるはずだから、もしかして…。なんて思ってたんですが、
やっぱりいろんな権利とかの関係で無理なんでしょうね。
発表された曲のリストをみて、ちょっとがっかり。
というわけで、忘れてたんですよね。

で、さっそく音源を聴いてみると、
オ〜ッ!!!!
これ、これ、求めてたのは、こういうの。
熱い、熱い、これがライブだよ。
気の入ってないバンドの生ライブなんかより、ずっといい。
おそらく、
ほとんど手を加えられてない、ライブそのままの音源。
ものすごく生っぽくて、
ラジオで、ライブの生中継を聴いてるって感じです。
清志郎さんが生きかえったみたいw
すごいの発売しましたね。
いいな〜、めちゃくちゃ気に入りました。

01.偽善者/THE TIMERS <1989.11.19@TENT IN>
02.さんざんなめにあっても!/忌野清志郎 & 2・3'S 
<1993.8.25@大阪城野外音楽堂>
03.プライベート/忌野清志郎 & 2・3'S 
<1993.8.25@大阪城野外音楽堂>
04.ファンからの贈りもの/忌野清志郎 SCREAMING REVUE 
<1995.12.22@サンケイホール>
05.宝くじは買わない/忌野清志郎 SCREAMING REVUE 
<1995.12.22@サンケイホール>
06.い・け・な・い ルージュマジック/
忌野清志郎 SCREAMING REVUE 
<1995.12.22@サンケイホール>
07.誰も知らない/ラフィータフィー 
<2000.11.10@BANANA HALL>
08.エンジェル/ラフィータフィー 
<2001.7.4@BIG CAT>
09.雨あがりの夜空に/忌野清志郎 
<2002.3.20@心斎橋Club Quattro>
10.宇宙ベイビー/LOVE JETS 
<2002.4.26@BIG CAT>
11.ぼくの家の前の道を今朝も小学生が通います/忌野清志郎 
<2003.8.9@大阪城野外音楽堂>
12.スローバラード/忌野清志郎 
<2003.8.9@大阪城野外音楽堂>
13.デイ・ドリーム・ビリーバー/
忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS
  <2008.5.28@Zepp Osaka>
14. Baby何もかも/
忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS 
<2008.5.28@Zepp Osaka>

ひとつだけ残念なこと、「Baby何もかも」に続いて
「雨あがりの夜空に」が演奏されるんだけど、
それがフェイドアウトすること。
まあ、しょうがないか。

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バナナホール、ベイベー、イエー!!
裕ちゃんのベースもサイコー。

そのとき、そこにいたんだよな〜、目の前に。
さみしいな〜。


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忌野清志郎の「キモちE」は、ラブソング(かもね)。 [音楽(忌野清志郎)]

RCサクセションの代表曲とも言える「キモちE」。
忌野清志郎さんは、RC解散後もこの曲をひんぱんに歌っていたし、
覆面バンドLOVE JETSでセルフカバー。
清志郎さんのお気に入りの楽曲だったように感じる。
曲は、パンク調のロック。RC後期、そして解散後、
そのアレンジはパンク色がますます強くなっていった。







「キモちE」  作詞・作曲 忌野清志郎

E E E キモちE
E E E キモちE
E E E キモちE E

そうさおいらは一番キモちE
だれよりもキモちE サイコーサイコー
かかかかかんじるキモちE E
だれよりも キモちE どこまでもキモちE

布団で寝ている奴より 女と寝ている奴より
新聞よんでる奴より 音頭をとってる奴より
だれよりも キモちE どこまでもキモちE サイコー

              (全歌詞/goo音楽


激しく高揚していく曲のイメージと歌詞の内容から、
そのテーマは、ドラッグ、あるいはSEX。
そのどちらかだと連想した人が多いのではないだろうか。
サイコーは、「最高」と、「さあ、いこう」との
ダブルミーニング。
そして、Eは、音楽のキーを表すE。音楽の高揚を
表す言葉でもあるのではないかと。

しかし、歌詞をよく見ると、気持ちいい比較対象に
「女と寝ている奴」と出てくるので、SEXをテーマにしたものでは
ないことがわかる。これはドラッグソングなのだ。

清志郎さん自身が、この歌について、
こんなコメントを残している。
「キモちEは、まあヘロインをやってつくったんですね 笑」
「ヘロインというのは結局、ただ気持ちいい。で、これは
 ダメなんだと思った。(中略)
 これは、一番いけないと思ったわ、俺は」
(忌野清志郎画報「生卵」より引用)

と、すごいこと言ってるが、もしかすると
少しリップサービスが含まれているかもしれない。
でも、あきらかにこの歌は
「ヘロイン」をテーマにしたドラッグソングだと
本人が言い切っている。ヘロインによる異様な高揚感を
表現して、逆説的にアンチドラッグを唱えた楽曲という
ことだろう。



で終わってしまうと、あたりまえすぎてつまんないし、
あえて、この曲は、ある時期からラブソングとして
歌われるようになった、と新説を提唱してみよう。

それは、前々から、この楽曲に関して
ひとつの疑問があったからだ。
気持ちいい比較対象にあげられているのは、
オリジナルの歌詞では
布団で寝ている奴、女と寝ている奴、
新聞よんでる奴、音頭をとってる奴、
車に乗ってる奴、電車に乗ってる奴、
条件だしてる奴、牛乳飲んでる奴。
となっている。
当初はオリジナル通りに歌っていたようだが、
清志郎さんは、やがて、この部分の歌詞を
いろいろ変えて歌うようになった。

研究している奴、昆虫採集している奴、
テレビを見ている奴、オナニーしている奴、
そして、マリファナ吸ってる奴。
疑問に思ってたのが一番最後、
なんでマリファナって歌詞を入れたのだろう、
ということ。
ヘロインとマリファナは、まったく別物なんだろうけど、
この一行で、アンチドラッグというテーマが
ぼやけてしまうんじゃないかなと感じていた。
それと、なぜそこまで、この歌にこだわり
歌い続けるのかという疑問。

で、あるとき、その答えにたどりついた。

清志郎さんは、「愛しあってるかい」と問いかけることによって
ジョンレノンと同じく「ラブ&ピース」を訴え続けた。
しかし、その言葉のルーツは、オーティスの映像。
言葉を発した当初は、遊びというかパロディであって、
そんなに深い意味はなかったんだと思う。(参考/過去記事

「キモちE」も、同じなんじゃないか。当初は、アンチドラッグ。
それをある時期から、歌詞の解釈を変えて、
「愛しあってるかい」を象徴する楽曲として
歌うようになったのではないか?

その解釈とは、この歌の高揚(キモちE)は
ドラッグではなく、S・E・X。
そうすると、「女と寝ている奴より」という比較対象と
同じ意味になってしまうではないか?
という疑問が浮かぶが、そうではない。
「女と寝ている奴」という表現には愛が感じられない、
つまり、それは愛のないSEX。
それよりも、キモちE、愛のあるSEXの歌なのだ。

愛しあうという行為は、愛のないソレや、ドラッグ、
いろんなものよりキモちE。
さあ、いこう、さあ、いこう。みんなで愛しあおうという
メッセージとして歌っていた。
つまり、「キモちE」はラブソングでもあった。


な〜んて、ちょっと強引すぎるかなw







清志郎さんが読んでたら、
こいつは、なにバカなこと書いてんだって
思われるかもしれないけどw

音楽なんて、いろんな解釈が
あっていいんですよ。




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  • 作者: ロックン・ロール研究所
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/07/24
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RHAPSODY NAKED (DVD付)

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  • アーティスト: 忌野清志郎,金子マリ,永六輔,小林和生,みかん,仲井戸麗市
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル シグマ
  • 発売日: 2005/10/26
  • メディア: CD




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忌野清志郎/愛しあってるかい?(忌野清志郎とジョン・レノン) [音楽(忌野清志郎)]

忌野清志郎さんには、十八番ともいえるフレーズがあった。
「愛しあってるかい?」。清志郎さんは、ライブの終盤になると、
必ず観客にそう問いかけていた。それはジョンレノンが掲げた
ラブ&ピースの思想と同じ。人と人が愛しあっていれば
争いなんておこらない、戦争なんてなくなる、というメッセージだ。

清志郎さんは、かなり昔から、このフレーズを口にしているが、
当初からそんな強い思いが込められていたか、というと
それは疑問だ。このフレーズには、実は元となるものがある。
敬愛するビッグオーことオーティス・レディングの言葉
「We all love each other, right ?」だ。

その昔、おそらくNHKのヤングミュージックショーだと思うが、
オーティスの伝説のライブ映像(1967年のモンタレー・ポップ・
ポップ・フェスティバル)が放映されたことがある。映像の中に、
観客に「We all love each other, right ?」と問いかけるシーンが
でてくるが、その言葉の日本語字幕が「愛しあってるかい?」
だったそうだ。

元々、パロディがとても好きな清志郎さん。
オーティスの映像を見て、
なかなかかっこいい言葉じゃないか。
オレも、オーティスみたいに「愛しあってるかい?」って
語りかけてみよう。と、そんな感じで
はじまったのではないだろうか。



Otis Redding live @ Monterey
We all love each other, right ?
「I've been Loving You Too Long & Satisfaction」




そして、いつしか
清志郎さんは、その言葉に強い思いを込めるようになった。
争いごとのない平和な世界を願うようになった。
なぜ、そうするようになったのか?
それは、ラブ&ピースを説くもうひとりのアーティスト、
ジョンレノンと同じなのでは
ないだろうかと思う。

少し前になるが、ジョンレノンの写真展があって、
そこでオノヨーコさんのメッセージを目にした。
そこにはジョンレノンがなぜ「ラブ&ピース」という
メッセージを訴え続けたか、その理由が綴られていた。

「それは、とても単純なこと、ジョンが父親だったからです。
みなさんが家族を愛するように、ジョンも家族を愛していた。
その家族が安心して過ごしていける未来をつくりたい、
と考えた。ただそれだけなんです。」と、
そんなような内容だったと記憶している。

ロックミュージシャンでありながら、
親バカで子煩悩、そしてラブ&ピース。
忌野清志郎とジョンレノンの共通点は多い。

清志郎さんが「イマジン」を見事にカバーできたのは、
作者の思いを痛いほどよくわかるからだと思う。



忌野清志郎 IMAGINE




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もうすぐ5月2日がくるわけですけど。 [音楽(忌野清志郎)]

昨年の5月2日は、私にとって、ごくごく平凡な一日でした。
妻が子どもと一緒に里帰り。私も妻の実家へ、ついていったんですが、
次の日、祝春一番コンサートへ行く予定だったので、ひとり日帰り。

で、3日の朝刊で、忌野清志郎さんが前の日に、
なくなっていたことを知りました。
だから3日の祝春一番コンサートは……う〜ん、
そのショックが大きすぎて、なかなか集中
できなかったですね。ボーッとしてしまって。

でも、有山じゅんじさんと藤井裕さんが出て来くると、
そうだ、きょうはこのライブを楽しもうって気分になれました。
そして、最後の曲。急遽、演奏を決めた曲だったんでしょうけど。
「デイ・ドリーム・ビリーバー」
泣けましたねえ、号泣してしまいましたww

今年の5月2日、各地で清志郎さんの追悼イベントが
あるようです。いちばん有名なのは、ARABAKI ROCK FEST.10の
「THE GREAT PEACE 10 SONGS “RESPECT FOR 忌野清志郎”」
でしょうか。すごい豪華メンバーですね。ARABAKIは
清志郎さんゆかりのイベントだし、一周忌にふさわしいビッグな
催しかもしれませんね。
う〜ん、でももし、このイベントが
大阪であったとしたら? どうだろう? 
行かないかもな〜。
なんかねえ、抵抗あるんですよ、こういうの。
そして、なくなってからメディアが
クローズアップしてることについても。

清志郎さんは、すごく身近な存在でした。
気持ちとしては、偉大すぎて近寄りがたい存在でしたが、
でも、とても近くにいた。
大阪だったらバナナホールやビッグキャット。
まさに目の前という距離で歌っていた。拍手もしてもらえたし、
リストバンドも受取れた。ほんと、近かったです。
それが、亡くなってから、ものすごく遠くなってしまいましたw
ほんとは遠い人でいいんですけどね。もっともっと前にねw

今年の5月2日は、祝春一番へ行く予定です。この日は、
清志郎さんと交流があった石田長生さん、有山じゅんじさん、
藤井裕さんが出演します。
4日は、金子マリさん、5日は、三宅伸治さん、大島賢治さん
梅津和時さんが出演します。

清志郎さん、こっちを見に来るような気がしませんか?ww



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忌野清志郎が高校生のとき、恋人に贈った音源。 [音楽(忌野清志郎)]

「清志郎さんが高校生の時つくった曲が見つかったらしいよ!」
今日の朝は、妻のそんなひと言で目が覚めましたww
いつもより1時間ぐらい早かったんですけど、そのニュースが
気になって、新聞を読みました↓。



 清志郎さんが高校時代の交際相手に贈った自作の歌のテープが確認され、
 このほど内容が分かった。曲は古いオープンリールテープに録音されて
 いた。清志郎さんの手元を離れて以来、贈られた女性以外で聴いた人は
 いなかったという。ノンフィクション作家の神山典士さんが昨年つきと
 め、このほど内容を確認した。テープの箱には、美術好きの清志郎さん
 らしく自画像が描かれ、自筆の歌詞カード、全曲解説がついていた。

TKY201004220615.jpg
(asahi.com/清志郎さん、デビュー直前の音源より引用)



曲は、「どろだらけの海」「涙でいっぱい」「ぼくの目は猫の目」
「2時間35分」などなど全7曲で約36分、
破廉ケンチさんと林小和生さんと3人で演奏された音源だそうです。

ふつう彼女に曲を贈るとしたら、恥ずかしくて
友だちにはいいにくいから
一人で録音したものを贈りますよねw
「協力してくれよ」と頼んだのか
「デモテープをつくろうぜ!」とかなんとか言って、(だまして)
つくったものを彼女にこっそり贈ったのか、どっちなんだろう?
後の方かなww

この音源は、一般に公開される予定はないとか。
そりゃそうでしょ。それでいいんだよ。
でも、ちょっと聞いてみたい。

しかし、幻の音源なんて感じで
こういうのがニュースになるなんて、新聞もすごい扱いだ。
ジョンレノンとか、昔の偉人クラスの、
モーツアルトとかね、そういう扱いだ。
う〜ん、でもな〜
何回も言うけど、遅いんだよww

ちなみに、この音源発見の経緯は、この本で紹介されるんだそうです。
51hsAur2X5L._SL500_AA300_.jpg







忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい

忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい

  • 作者: 神山典士
  • 出版社/メーカー: アスコム
  • 発売日: 2010/04/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





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忌野清志郎とボブ・ディラン。 [音楽(忌野清志郎)]

来日中のボブ・ディラン。大阪公演は終わりましたが、昨日から
名古屋公演がスタート、その後東京公演へと続きます。
ライブの方は、毎回17曲と固定されているようですが、
セットリストは日替わり。演奏した曲数は6公演ですでに50曲だそうです。
こういうことができる、というか、するのは、この人ぐらいでしょうね。
昨日の名古屋は小雨が降っていたみたいですが、1曲目は
「Rainy Day Women」、そして「A Hard Rain's A-Gonna Fall」も
歌ったそうです。これ、天候に合わせて選曲したんじゃないですかねえ。
大阪公演初日の1曲目は、「Watching The River Flow」。
ZEPP大阪は、川沿いに建っています。


で、ここからが、本題。
清志郎さんのフェイバリットといえば、オーティス。
でも、ディランやザ・バンドのファンでもありましたよね。
「アイ・シャル・ビー・リリースト」、
そして「風に吹かれて」をRCサクセション時代にカバー。
(カバーというよりボブ・ディランの曲に
歌詞をつけた、というイメージですけど。)

清志郎さんは、3O周年を記念して「リスペクト」という
コンサートを開いていますが、その構成は、
清志郎さんを敬愛する様々なミュージシャンが登場して
最後に本人が登場するというもの。
ボブディラン30周年コンサートと同じスタイルでした。

「瀕死の双六問屋」で紹介しているディランのアルバムは2枚。
「BASEMENT TAPES」と「GOOD AS I BEEN TO YOU」。
特に後者はシブい選択ですよね。ふつうなら「ブロンドオンブロンド」
あたりをセレクトするだろうにww
その紹介で清志郎さんは、こんな風に書いてます。

ディランは70年代の「新しい夜明け」とか、よく聴いてましたね。
で、これは久しぶりの弾き語りのアルバムなんですよね。
もう何十年ぶりかじゃないかな? この中の「あしたの晩」が
ファンの間ですごく話題になったんですよ。
もともといろんな人が演ってる有名なリズム&ブルースの曲
なんですけど………誰だっけなあ、オリジナルは?
それで「すごく、いいよ」って噂になってたんで、
買ったんですね。そしたら良かった!…と。
(忌野清志郎「瀕死の双六問屋」より)

ミュージシャンということを忘れて、一ファンになって
しまってる、そんなコメントですよねww
笑顔いっぱいの、顔が思い浮かびます。

今回の、ボブディラン9年ぶりの来日公演。
大阪公演を、ちょうどツアーで大阪に来ていた
伸ちゃん(三宅伸治さん)が見に行ったそうです。
最終公演も行く、とブログに書かれていました。
清志郎さんが生きてたら、一緒だったんでしょうね。
聴いて欲しかったな、68歳のバリバリのロックを。












Good as I Been to You

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sbme Special MKTS.
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: CD


※国内盤ではありません。輸入盤↑(US)のリンクです。



瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

  • 作者: 忌野 清志郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/09/06
  • メディア: 文庫






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「個展 忌野清志郎の世界」大阪。 [音楽(忌野清志郎)]

忌野清志郎さんの全国巡回展覧会。大阪での開催が決まった
時は、非常にうれしかったんだけど、いざ、はじまると、やっぱり
行くのやめようか、な〜んて思ったりして。
でも、行かないと後悔するかもしれない、ということで、
昨日、昼休みを利用して行ってきました。

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油絵、イラスト、レコード、ツアーグッズ、私物……、
写真はおおくぼさんが撮ったものが多かった。そして絵は、
子供達を描いたものが印象的。
ハッとしたのはステージ衣装の展示コーナー。
こういうのを見ると、あ〜、亡くなったんだよな〜と
しみじみとしてしまう。写真とか見てても感じないんだけど、
衣装は身につけていたものだから、汗とか臭いとか体温とか
その時の思いとか、いろんなものがしみついている、
だから何か語りかけてくるような感じがするんです。
主を失ったさみしさというか、ちょっとつらかった。

秘蔵映像は日替わりらしいですが、昨日は
「いけないルージュマジック」や「君が代」などなど。
ファンクラブイベントでの小さな女の子との会話が
おもしろかった。
「清志郎さんは、なぜ化粧をして歌うんですか?」という質問に
「それはね、メイクしていた時に、売れたからだよ」と
答えていました。笑

展覧会のお約束というか、出口近くに、
誘惑のスペースがあるんですよね。お金ないし、イカンイカン
と思いながら、やっぱり買ってしまった、Tシャツ2枚。笑
ブタTシャツと、映画チキンハートの浅田Tシャツ。

IK-68.jpg

あ、そうそう。こんなチラシももらいました。

IMG_0002-280.jpg


帰りに茶屋町のタワレコへ。こういうのやっていたんで。

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まあ、これは、商品が集められていて、試聴できる、
というそれだけなんですけどね。
でも、写真やポスターがいくつか展示されています。

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「個展 忌野清志郎の世界」大阪は、2/14、日曜日まで。HEPホール。

忌野清志郎公式ホームページ/地味変



タグ:忌野清志郎
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忌野清志郎、未発表アルバム「Baby #1」発売 [音楽(忌野清志郎)]

予想はしていましたが、清志郎さんの未発表音源はいろいろ
あるようで、そのひとつが3月5日にリリースされることが
決定しました。タイトルは「Baby #1」。
1989年にロサンゼルスで録音された音源だそうです。
「RAZOR SHARP」に続く2ndソロアルバム発売のために
録音されていて、結局、ボツになったもの。
完成間近に近い状態だったようで、すごく出来はいいようです。
まさに幻のアルバムの発掘ですね。
LA録音ということで、気になるのはバックメンバー。
誰とセッションしたんだろう???


1.Baby#1 (アルバムタイトルにして奇跡の未発表曲)
2.I like you ('90 RCサクセションのシングルとして再録音)
3.KI・MA・GU・RE (沢田研二に提供、’89「彼は眠らない」に収録)
4.NEWSを知りたい (’92 2・3’s「GO GO 2・3s」に再録。)
5.Young Blue ('91 HIS=「日本の人」に収録)
6.ONSHA (小林克也&ザ・ナンバーワン・バンドに提供)
7.ヒロイン ('90 RCサクセション「Baby A Go Go」に再録音)
8.Like a dream ('92 清志郎ソロアルバム「Have Mercy」にてリテイク)
9.Lucky Boy ('92 清志郎ソロアルバム「Memphis」にてリテイク)
10.メルトダウン (2・3’sの’「Music from Powerhouse」にてリテイク)



Baby #1

Baby #1

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2010/03/05
  • メディア: CD





こういう未発表音源の発売は、ファンとして
とてうれしいのですが、
いろんな人に知ってほしいのは、その音楽だけではなくって
そのメッセージ、その生き様。
清志郎さんのメッセージを残していく、
という意味で、今入手困難と
なっているアルバムの再発をのぞんでいます。

1995年、阪神淡路大震災から約3ヶ月後に
発売されたタイマーズのチャリティシングル。
そこには、震災当時の悲惨な状況を物語る、
怒りと悲しみの曲「ヘリコプター」が収録されています。

ヘリコプター ヘリコプター 今すぐこの火を消してくれ
マスコミばかりが乗ってるヘリコプター

ヘリコプター ヘリコプター 燃え広がる前に飛んで来い
ヘリコプター ヘリコプター レポーターよりも俺を乗せてくれ




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